ポリ酸を利用したナノ構造の構築と放射光を利用した構造解析

原子・分子は結晶化するとき、互いを認識しながら、相互作用が最大化するように集合します。従って、分子間相互作用を利用することによって、結晶中の分子 の配列を制御することが出来ます。われわれは、ポリ酸が持つ分子間相互作用を利用して、ポリ酸ならではのナノ構造を作り上げることを目指しています。特に 500個以上の原子からなるナノメートルサイズポリ酸が構築するナノ構造に注目して研究を進めています。このように複雑な構造を決定するためにはシンクロ トロン放射光の利用が必須になりますので、そのための装置開発も行っています。


 

 


研究成果の例

  • M. Saito, T. Ozeki, "Crystallization of a Keplerate-type polyoxometalate into a superposed kagome-lattice with huge channels", Dalton Trans., 41, 9846-9848 (2012). DOI: 10.1039/C2DT30582H
  •      掲載されたDalton Transactions誌の表紙を飾りました。
         成果が高エネルギー加速器研究機構のホームページで紹介されました。
  • 尾関智二, 「環状混合原子価ポリ酸の生成機構および高次構造形成に関する結晶学的研究」, 日本結晶学会誌, 53, 371-379 (2011). DOI: 10.5940/jcrsj.53.371
          日本結晶学会賞学術賞受賞論文
  • S. Shishido, T. Ozeki, "The pH Dependent Nuclearity Variation of {Mo154-x}-type Polyoxomolybdates and Tectonic Effect on Their Aggregations", J. Am. Chem. Soc., 130, 10588-10595 (2008). DOI: 10.1021/ja800784a
         本論文の研究成果が認められ、日本結晶学会賞学術賞が授与されました。
         受賞が高エネルギー加速器研究機構のホームページで紹介されました。
         授賞式の写真が国際結晶学連合のニュースレターに掲載されました。
  • N. Honma, K. Kusaka, T. Ozeki, "Self-assembly of a lacunary α-Keggin undecatungstophosphate into a three-dimensional network linked by s-block cations", Chem. Commun., 2896-2897 (2002). DOI: 10.1039/b209076g