尾関研究室では以下の各テーマについて研究を進めています


ポリ酸が示す分子間相互作用の解明

触媒が特定の物質(基質)のみを選択して反応を進めるとき、薬剤が特定の生体分子のみに働きかけるとき、そして分子が結晶化するとき、これらの物質(分子)の間には、お互いを認識・識別する作用が働いています。このような分子間の相互作用は、化学反応や物質の性質・構造を方向付ける大きな要因のひとつです。

 

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ポリ酸を利用したナノ構造の構築と放射光を利用した構造解析

原子・分子は結晶化するとき、互いを認識しながら、相互作用が最大化するように集合します。従って、分子間相互作用を利用することによって、結晶中の分子の配列を制御することが出来ます。われわれは、ポリ酸が持つ分子間相互作用を利用して、ポリ酸ならではのナノ構造を作り上げることを目指しています。特に500個以上の原子からなるナノメートルサイズポリ酸が構築するナノ構造に注目して研究を進めています。このように複雑な構造を決定するためにはシンクロトロン放射光の利用が必須になりますので、そのための装置開発も行っています。

 

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貨幣金属-ポリ酸複合クラスターの合成と生成機構の解明

分子の間の相互作用が強くなると、分子同士がしっかりと結合した複合体が得られます。ポリ酸同士あるいはポリ酸と有機小分子の間の相互作用を対象とする上記2つの研究テーマに対して、本研究テーマはポリ酸と別の種類のクラスターとの間の相互作用の解明をめざしています。ポリ酸の相手としてエチニル銀クラスターを用いた研究から、右図に示すような新奇な複合クラスターが得られることを示しました。これらの結晶および溶液中での構造や、生成機構について研究を進めています。

 

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